信念を突き通すのは難しい。
権力に立ち向かい、金、女に惑わされず、自分の信念を突き通せるだろうか。
この世の中、一体誰を信じる?
処世術に長けた奴? 信じられない。
金に目が眩んだ奴? 信じられない。
簡単に友を売る奴? 信じられない。
信念を突き通す奴? これこそ信じられる。
人間としての「誇り」を失うことがもっとも恥ずかしいことだ。
・・・などと考えながら10年前サラリーマンの頃によく通ったバーで飲んでいる。
「ハーパーをダブルで!」
空気、音楽、におい、酒の味、・・・昔と何も変わりない。変わったのは人々の心だけか・・・?
![]() | セント・オブ・ウーマン 夢の香り (2006/06/23) アル・パチーノ、クリス・オドネル 他 商品詳細を見る |
会社の命運をかけた大きなプロジェクト、なかなかうまく事は運ばない。最初のプランに問題があるようだが今更変更はできない。
ということでこのところ残業続きで疲れ果てている。目の下にくま、顔色も悪い。
今日は取引先との打ち合わせで新宿へ、会議が終わったのは22時半、会社へはそのまま直帰すると伝えた。
ちょっと一杯やっていくか。
目に付いた小さな店に入り、カウンターでビールを注文した。一つ席をおいて隣には若い男女のカップルが座っていた。
「仕事と私、どっちが大事なの?」
そんな声が聞こえてきた。男は今は仕事が大事だと説得してその場を収めようとしていた。
最初はなるほど男と女にありがちな会話だなーなどと考えていたが女の言い分は私の心にもぐさりと突き刺さるものであった。
「この前の私の誕生日も仕事で会えなかった。記念日のデートもすっぽかして、クリスマスの食事もキャンセルした。・・・」
疲れのせいかビール一杯でほろ酔い気分になった頭で振り返ってみた。
妻の誕生日、結婚記念日、子どもの運動会、入学式、卒業式、バレエの発表会・・・・・確かにいろいろなものを犠牲にしてきた。
「犠牲? 一体何のための? 私は何を得たのだろう。わずかなお金? 地位?」
「一体何をしているんだろう?」
私は2杯目のビールを残し、店を出た。勿論早く家に帰るために。
| もしも昨日が選べたら (2007/11/28) アダム・サンドラー; ケイト・ベッキンンセール; クリストファー・ウォーケン 商品詳細を見る |
出演: アダム・サンドラー; ケイト・ベッキンンセール; クリストファー・ウォーケン
監督: フランク・コラチ
60分×24時間×365日=525600分
1年は525600もの愛しい瞬間で構成されている。
もし人生を計るとしたら一体何で計ればいいのだろう。
笑った数? 泣いた数? 喧嘩した数? 友達の数? 飲んだウィスキーの本数? 嘘をついた数? 人を裏切った数? 稼いだお金?・・・・・
「愛」はどうだろう?
大切にする気持ち、慕う気持ち、愛しみ合う気持ち、温かい気持ち・・・・・そんな「気持ち」で人生を計ってみてはどうだろうか。
人生を「愛」で満たそう。今この瞬間を友とお祝いしよう。
![]() | レント デラックス・コレクターズ・エディション (2006/10/04) ロザリオ・ドーソン、トレイシー・トムス 他 商品詳細を見る |
小学生の頃、私にとって公園は「全て」だった。
学校から帰りランドセルをおくやいなや公園へ直行したものである。
そしてそこへ行けば必ず仲間がいた。
リーダーのラッキー、デブのデーブ、走るのが速いスピード、冗談のうまいジョーク、頭の良いインテリ、弱虫のチビ、・・・
喧嘩もよくしたが不思議なことに翌日には必ず仲直りしていた。
今思うと当時の私は大人になることなんて全く考えていなかった。
今日が全て、今が全て、それ以外は何も考えられなかった。
ただ仲間たちといるだけで楽しかった。仲間と時間を共有することが楽しかった。
18になり親の反対を押し切り故郷を捨て都会の大学へ、卒業後順当にサラリーマンになった。
現在当時のような仲間はいない。満員電車で自宅と冷たいオフィスを往復する毎日である。
夜一人、バーボンを飲んでいるときにふと思うのは昔の仲間たちのこと。
大人になり皆私のようなさびしい人生をおくっているのだろうか?
今からでもあの頃の自分を再び取り戻せるのだろうか?
![]() | ふわっとアルバート キーナン・トンプソン (2006/10/27) 20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン この商品の詳細を見る |
風はいつも私たちに何かを伝えようとしている。そんな気がする。
時にやさしく撫でるように、時に強く襲いかかるように・・・・・
風の色って何色?
こどもの頃キラキラと光る風を見た。今でもはっきりと覚えている。
暖かい春の日差しの中、その風は美しく輝く海の方からやってきて、小高い小さな草原にいる私の頬をそっとくすぐり、山の方へ向かっていった。とてもよい香りと共に。
草原の草花も、山の木々も、風と戯れ心地よい音を奏でていた。
風の去った後はすべてのものがキラキラしていた。
まさにそれは春の生命の息吹の風であった。
その風の色、香り、感触は今でも忘れない。
明日はどんな風が吹くだろうか?それは一体どんな色だろう?
![]() | ポカホンタス ラッセル・ミーンズ、メル・ギブソン 他 (2004/07/09) ブエナ・ビスタ・ホーム・エンターテイメント この商品の詳細を見る |
いつも不幸な人がいる。そしていつも幸せな人がいる。
休日の地下鉄はいつもと様子が違う。
スーツを来たサラリーマンたちで埋め尽くされていない車内は何だかのんびりとしている。
私は娘と二人で新宿へ向かう途中であった。
娘がお店に注文していた商品が入荷したということでそれを受け取りに・・・妻に後押しされたのだ。
私はこのところ何をやってもうまく行かずムシャクシャしていた。娘はそんな私を気遣う年頃になっていた。
車内はカップル、家族連れで賑わっていた。皆楽しそうに会話している。黙って座って地下鉄の何も見えない暗い窓を眺めているのは私と娘だけである。
私は目を閉じ娘のことを考えてみた。
娘はとても良い子に育ったものである。人から見るとほんの些細なことでも楽しめる子だった。工夫したり想像したり、見る角度を変えたりしながら・・・物事の本質を捉えようとしていたのかもしれない。
幸せか不幸せかなんて自分で決めることだな。きっと不幸せと思うことが不幸せなのだろう。
「新宿に着いたらうなぎでも食うか?」
「やったー!」と娘。
案外身の回りは幸せで満ち溢れているのかもしれない。
![]() | レモニー・スニケットの世にも不幸せな物語スペシャル・エディション ジム・キャリー (2005/09/16) 角川エンタテインメント この商品の詳細を見る |
人間の人生が無数の選択で構成されていると考えるとしよう。
私は今までそのひとつひとつの選択を慎重に行ってきただろうか?
これから訪れる選択の数々を慎重にこなしていけるだろうか?
毎朝、目が覚めた瞬間から・・・
どの下着にしようか?
どのネクタイにしようか?
パンにするかご飯にするか?
傘を持っていくか?
・・・・・・・・・・
と選択が始まる。
この日常の些細な選択が自分の人生を決めていくとしたら・・・
「飲み物はお決まりでしょうか?」
カウンター越しに若く美しい女性バーテンダーがたずねる。
やれやれ バーボンにしようか?それともビールにしようか?
「何を選択すればいいと思う?」
「じっくり考えていいわよ。」
そもそも一体なぜこのバーに立ち寄ったのだろう。真っ直ぐ帰るべきだったのかもしれない。
| デッドコースター/ファイナル・デスティネーション2 A・J・クック (2003/11/28) エスピーオー この商品の詳細を見る |
その帽子屋の主人は言った。
「私は30年間帽子を売り続けている。帽子を見ればその人はどんな人生を歩んできたのか分かるのだ」
偶然ショーウィンドウの帽子が目にとまり、眺めていた時だった。この暑いのに・・・
果たして帽子だけで生計を立てられるものなのか?
確かにこれほどの種類の帽子を見たのは初めてである。こんなに種類が必要なものなのかとさえ思うほどである。
主人は続けて言った。
「帽子はその人の生き様を表すものだ。あんたも一人前になったらきっと帽子のことが分かるよ」
帽子専門店は数少ない。でもこのような専門店を必要としている人も確かにいるのだろう。それは私にも分かる。だが・・・
壁、棚一面に飾られた帽子、かなりの年季が入っているようである。もしかしてもう何十年もそこに掛かっているのかもしれない。
側にあったパナマハットを手にとって見た。そして被ってみた。なるほど素晴らしい被り心地である。
「これ、頂戴」
店の主人はにんまりしている。「被っていくかい?」
私は黙ってうなずいた。
店を出て私は思った。
なるほど。何だか自信に満ち溢れてきた。帽子ひとつで生き方は変わるのかもしれない。
その後、ビジネスは成功し私はその町を離れた。数年後偶然その町を通りかかった際その帽子屋の前を通りかかった。しかしそこにはもう帽子屋はなかった。
それに代わって安さを売りにしたカジュアルウェアの量販店があった。
私はパナマハットを目深に被り足早にその場を去った。
![]() | ユー・ガット・メール メグ・ライアン (2003/12/06) ワーナー・ホーム・ビデオ この商品の詳細を見る |
どんな生き方をしているか?と問われたら私はどう答えるだろう?
そんなことを考えながら居酒屋で友人の話をぼんやりと聞いていた。
会社の悪口から始まり、上司、女房の悪口まで、そして政治が悪い、社会が悪いと友人は声を荒げていた。
確かに世の中理不尽なことだらけだ。損得ばかりを勘定していたら疲れ果ててしまう。
ビールの泡がまるで何かに侵食されるように少しずつ消えていくのを眺めながら私は父の死を思い出していた。我々は必ず死ぬ。どんなにあがいても死からは逃げられない。
あの暖かい日差しが入る病室を思い出す。父がいて母がいて私がいて・・・とても淋しい情景である。
「愛はどうした!」と思わず声をついて出た。
友人は目を丸くし口を開けたまま止まっていた。
私は人を愛して生きていくことが最高の幸せだと思う。愛されるよりもだ。
すべての不満を出し尽くした友人は終電だからと先に店を出た。
「ビールおかわりっ!」
明日も頑張ろう。きっとまたこんな一日だ。
よく冷えたビールが体にしみる。私は生きている。
![]() | マイ・ルーム レオナルド・ディカプリオ (2002/03/01) アミューズソフトエンタテインメント この商品の詳細を見る |
都会の生活に慣れ過ぎてしまうと、我々は「一人で生きていける」などと錯覚してしまう。
一方自然に近づけば近づくほど、我々は「一人では生きていけない」と実感する。
そう我々人間は一人では生きていけない。決して幸せにはなれない。
友を決して裏切るまい。
![]() | マダガスカル スペシャル・エディション エリック・ダーネル、 他 (2005/12/02) 角川エンタテインメント この商品の詳細を見る |
自分の中にいるもう一人の自分。
1つの身体に2人の人格。常に対極にいる。
「右」と言えば「左」という。「白」と言えば「黒」という。
やはりバランスが大切なのだろう。
そのバランスが崩れたとき・・・・・
![]() | ハイド・アンド・シーク 暗闇のかくれんぼ ロバート・デ・ニーロ (2006/01/07) 20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン この商品の詳細を見る |
自分の中にもいる「天使」と「悪魔」
世の中何事もバランスというが「善悪」もバランスなのだろうか。
正義が勝って悪が滅んだのではバランスはとれない。
そもそも何が「善」で何が「悪」なのだろう。
全ては自分の考え方次第のような気がする。
![]() | コンスタンティン キアヌ・リーブス (2006/04/14) ワーナー・ホーム・ビデオ この商品の詳細を見る |
お金で買えないもの。それは人の心。
みんな「当たり前だ」と言わんばかりにそう言う。
日ごろ何でも簡単にお金で解決しようとしている自分がいる。
せめて大切な人へのプレゼントは心をこめた手作りのモノにしたい。
| 恋のクリスマス大作戦 ベン・アフレック (2005/11/25) 角川エンタテインメント この商品の詳細を見る |
かつて私は人を信じたことがなかった。
常に騙されるのではないか、裏切られるのではないか といつも身構えていた。
私利私欲のために人を騙すことなんて何とも思っていない人に憤りを感じていた。
しかし年を重ね徐々に変わってきた。
地位や名声、お金に縛られている人を哀しく想う。
人は信じることからスタートしたい。
「嘘」か「本当」かなんてどうでもよい。
自分が信じたいと思うものを信じる。それは「人間の良心」である。
![]() | ウォルター少年と、夏の休日 ハーレイ・ジョエル・オスメント (2006/07/19) ポニーキャニオン この商品の詳細を見る |
Author:ひまじん